によって 谷口先生記念出版会

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内容紹介本書は、2014年3月に工学院大学建築学部の教授を退職された谷口宗彦先生が、これまでを振り返り、次世代の後輩のために上梓した記録史です。 谷口先生は工学院大学建築学科を卒業した後に山下司研究室にて助手を務めた後、助教授、教授として長年、教鞭を取ってきました。その間に国内外のコンペに参加し、数多くの公共建築を建ててきました。完成した建築作品のみならず、未完の作品からも学ぶことがあると谷口先生は説きます。恩師からは「飽くなきチャレンジ精神、粘り強い姿勢、そして最後の最後まで空間デザインにこだわる創造性」を、そして両親からは「人に受けた恩を忘れずに返していく喜び」を教わったと谷口先生は記しています。その結果、学生たちは授業やゼミを通じて先生から建築デザインを学ぶ一方で、そのひたむきさに見合う体力を、山登りを通じて養わなくてはなりませんでした。本書の前半では、ご自身による模型写真やコンペの提出プランの解説に加え、親交のあった卒業生の方々の寄稿文をまとめ、谷口先生の教育者としての一面が浮き彫りにしています。 後半では、新宿に超高層キャンパスが完成するまでの紆余曲折を記録しています。1980年に新宿に校舎を建て直す事業が発足してまもなく、時代はバブルに突入します。土地、物価、人件費の上昇から総工費が膨らむなか、果たして290億円で新校舎は無事に完成するのでしょうか。特定街区としての再開発、学内のゾーニング、建築と経営の見直しについて先陣を切って挑んでいくストレスから、谷口先生は緊急入院を余儀なくされます。退院してもなお、竣工に向けて邁進する姿勢には、母校の新キャンパスをより良いものにしたいという岩をも通す一念が感じられます。章末の寄稿文からも、今では新宿の高層ビル群の一角を成す工学院大学に、知られざる建築の歴史が秘められていたことがわかり、読者はこの新事実に驚かされることでしょう。 本書の最後では主な建築作品を紹介しています。まちなみをテーマにした7つの作品住宅からは、街が過密化した現代においては、通りと中庭を結びつけたコ-トハウスが魅力的で豊かな空間を作り出すことを示しています。 教育者として若者に向き合い、公共建築の責任者として条例と向き合い、高齢者や障碍者の住宅の設計者として施主と向き合った49年間の実りある日々がこの一冊にはまとめられています。「建築は己を映す鏡である」という信念を貫いた生き方を知ると、建築の道を進む者ならずとも、自分の内にも何かを映し出す鏡があることに気づくのではないでしょうか。

ファイル名 : 谷口宗彦最終講義-工学院大学に在籍した49年間の全てを語る.pdf

以下は、谷口宗彦最終講義 工学院大学に在籍した49年間の全てを語るに関する最も有用なレビューの一部です。 この本を購入する/読むことを決定する前にこれを検討することができます。